ぐるっとカナダ11

バンクーバーアイランドはトランスカナダハイウェイ1号線の西の端でもある。去年の夏の旅を振り返るとき、カナダ東端セント・ジョンズの街で東の基点にタッチしてひとつのゴールを感じていたのでこの島には興味があった。そして冬の活動場所はウィスラーだったので機会はくるものだとばかり思っていた。ところが・・・・自分で動かなければ向こうから会いに来てくれる訳はないのである。そんな旅の大原則を思い出したときは帰国日を数週間後に決定してからだった。

車の売却も目処がたち、相棒との最後の旅を決行することにこぎつけたのは二日前、慌ててキャンプ道具を荷台に積み込んで走り出した。

5/22-5/26, 2001

月/日 地名 道路名称 走行距離(km)  
5/22 ウィスラー 99 ホースシューベイ フェリー ネルソン 1 ビクトリア(ホステル泊) 240

バンクーバーの北、ホースシューベイからフェリーに乗る。先週末はビクトリアデイという祝日で連休となり、毎年この連休はカナダ人達にとってのキャンプシーズン到来をしめす連休だという。今回はその大波の過ぎた平日なので人の渋滞とまではいかないが乗客は八部入りというところだろうか。甲板でひなたぼっこをしている連中がたくさんいたがフェリー備え付けのパンフットをかき集めて情報収集に精力を傾ける。道が頭に入ってきて都市の名前が線でつながってきた。1時間半の読書時間はわくわく度を大きくさせるのにちょうど良い。定刻で着岸、そのままビクトリアを目指して1号線を南下する。市内は一方通行が多く、ホステルへはコの字型にまわって到着、受付をしているところにHirokoが市内散策を終えて合流してくれた。彼女はウィスラーでの冬の仕事を終えバンクーバー島で休暇中、日取り良く合流してくれた。

複数人数で市内観光できるなんて貴重品!食を楽しもうと地ビール屋を探してボートのセールが林立する港を巻くように歩いていった。自炊生活では縁遠いシーフードのワイン蒸しなどを肴に明日の作戦を練る。

5/23 ビクトリア市内観光 1 ノースカウチン 18 ヨーボー通過(キャンプ場で車中泊) 100

2段ベットが3つ入った6人部屋は汚いわけではなく必要十分の快適さを持っていた。公園であるベーコンヒルに車をおいて一号線の西の基点にタッチ、一本の道が自分の中で繋がった。花の溢れる公園内をぬけ州立博物館(ロイヤル・ブリティッシュ・コロンビア博物館)を一日かけて見学する。ネイティブインディアン達の歴史を紹介する展示は充実していて、それぞれの解説をじっくり読んでしまった。自然史ギャラリーと名のつくフロアでは来館者が一つづつ次の部屋に移動しながら深海の世界を紹介する物語り仕立ての展示があり飽きずに最後まで進んでしまった。この展示方法は面白い。

ビクトリア大学をドライブしてHirokoとバイバイ、ビジターセンターから有料で手にした地図を広げ寝床を探す。カウチン湖の西にキャンプマークがある。記載どおり Youbou から未舗装路にかわりバックミラーには砂煙が写りこむがロギングトラック(伐採した木材を運ぶ巨大なトラック)で幾度も踏まれている道は走りやすい。5mほど行き過ぎたがキャンプ場入り口のゲートを発見、すでに22時を過ぎているので徴収係りはお帰りになっていた。少しの蒔きが見つかったので調理用細く長く焚き火で米を炊き、ウインナーをローストする。

5/24 フォレストキャンプ場 ロギングロード ポートアルバーニ 4 トフィーノ ウォータータクシー ホット・スプリング・コーブ(キャンプ場泊) 180

ロギングロード(林業用の道路、しかし日本の林道とはサイズが違う)を50kmほどつないで木材の街ポートアルバーニに入る。あいにくビジターセンターは閑散期のため休館になっていたので帰り道に立ち寄ることにしてトフィーノに向かう。ワインディングロードはドライブ日和で二重丸、寄り道を繰り返しながらも2時過ぎにトフィーノの町に入った。バンクーバー島西海岸を北上する道はここまで、しかしこの先に海に流れ込む温泉があるという。フェリーの中でみたパンフレットにもたくさん紹介されていた。海中温泉へのカヤックツアーを探すが時期が早すぎた。しかも7Daysからのツアーになっている。カヤックを諦めたとき、ウォータータクシーが3時に出発するという話を聞いた。渡れるのなら早く上陸してしまおうと車に戻ったのが2時45分、桟橋の上に車を乗りつけ荷物をザックに放りこみ飛び乗った。地元の民が利用する船なのでロギングキャンプ(伐採現場近くに作られる作業員の生活場所)に立ち寄ったり、学校を終えた学生達を拾ったりしながら海中温泉の桟橋につく。彼らの終点は温泉の対岸の村だ。

桟橋からキャンプサイトまでは100mほど、両手に大荷物を抱えていたがカナダのスーパーで自分の車まで戻るのより近いくらいあっさりだった。ウォータータクシーで一緒に上陸したBillはロスからのアメリカ人、テントは嵩ばるのでシート1枚寝袋の下に敷いて寝ているという。わかっちゃいるけどまだ自分にはできないな。拍手!

夕食を先に食べて日帰り客が帰るのを待つ。桟橋に停泊しているボートがすべてなくなってからBillと温泉に向かった。木の板がきれいに原生林の中にひかれ散歩気分で歩ける。30分歩いて不意に硫黄の匂いに気づくと木道の脇に源泉が流れている。そこから海岸の方角へ降りていくと岩にはさまれた湯溜まりがいくつか見えた。

キャンプ場には僕らを含めて4人しかいなかったが釣り師達がかわるがわる現れ人は途切れなかった。ヘッドランプを持ってきていなかったので日が落ちる前に帰路についたが、明日の朝風呂をのんびり楽しもうとBillから誘いを受け寝袋に入った。

5/25 やっぱり朝フロ ウォータータクシー185 トフィーノ 4,ロギングロード Clayoquotキャンプ場(キャンプ場で車中泊) 60 

昨晩はビールしか飲んでいないので寝起きがいい。6時におきてBillに一声をかけて先に温泉に向かう。6時半からの朝風呂、まさしく一人占めを楽しむ。昨日潮と混ざり合って絶妙な湯温だった場所は潮が満ちて消えていたが、湯の滝は昨日2本だったものが3本に増えていて完璧なシャワーになっている。湯だった頃、そばの岩場で朝食を作りほてりを冷ます。Billが合流し二人で朝日を満喫しきったところで雲が張り出してきた。週末には小さな嵐がくるという。キャンプ場に戻るとまた陽が差してきてホエールウォッチングと温泉がセットになったツアーのお客さんがやってきた。昼寝をしてからツアーのガイドさんと交渉、席が空いていたので片道のツアー参加をさせてもらう。小さいけれど潮を吹く鯨をみてトフィーノに戻ってきた。

少し島の内陸に入ったケネディ湖西岸のClayoquotキャンプ場に移動してカナダ最後のキャンプをする。

5/26 明るい朝 4 ナナイモ フェリー ホースシューベイ 99 ウィスラー 310 

行きに閉館だったポートアルバーニのビジターセンターで木材の勉強をする。バンクーバー島は木材が重要な産業だが日本への輸出がなんと80%を超えているという。日本語版ではなく日本用のパンフレットが並べられていた。

雨に降られることなくナナイモに到着し、予定より一本早いフェリーに乗り込む。

去年から続いたカナダ横断の旅はここに終焉した。

 

もしも、この大陸を走ることがもう一度可能であるならば・・・・・ねぇ、どこを走ろうか。