日 程 2000.08.28〜2000.09.1| 2000.8.28 | 2000.8.29 | 2000.8.30 | 2000.8.31 | 2000.9.1 |
2000年8月28日
トレイル入口前駐車場−ケニーレイク−リアガードCG(テント泊)
トレイルの入り口にある駐車場で朝を迎えた。7時半起床、同じ宿泊方法をしていた白人男性と朝の挨拶、おそらくまた会うだろう。一度ビジターセンターに戻り入山届とテントサイト使用料(一泊5ドル)を支払う。
10:00 歩き始める。今回もベースキャンプ型で周辺トレイルを散策するつもりでいるので初日は大量の食料がザックを占めていて歩荷訓練になる。
11:15 キニー湖 (Kinney Lake) のCGに到着。ここから傾斜がきくつなり滝がいくつも現れるという。釣り橋を渡るとこれから上るコースが山腹に対角線を描いているかのように続いている。
12:10 ホワイトホーンCGを通過、道は勾配をきつくして水平距離 5 km で標高を 600 m あげる。いくつもの滝がトレイルからのぞける。この部分は Valley of a thousand falls と名づけられていて、エンペラー滝 (Emperor falls) の滝壷へ続く枝道を行くとシャワーを浴びる以上の飛沫を受けてしまった。エンペラーCGを通過すると登りきったのか道は平坦になり左手にミスト氷河 (Mist Glacier) の末端が、そして正面にバーグ湖 (Berg Lake: 日本語ではベルグレイクと紹介しているが誰にも通じない、もっとも日本語の発音で「ばーぐれいく」といってもわかってもらえなかったが・・) が目の高さに見えてくる。
14:58 マーモットCG通過
15:25 バーグ湖CG着 山小屋 (Hargreaves shelter) はしっかりとしたつくりでキャンパー達が集っている。僕はこのCGが満員だったためもう一つ先のリアガードCG (Rearguard) にベースをおくことを届けていた。
16:00 リアガードCGに到着し歩荷が終了した。ザック重量 25 kg 強、距離 20.4 km 標高差 800 m を休憩込みで6時間。まぁ良しとしよう。設営を終えてサイト周辺を歩いていると一部分木の壁が抜けていてバーグ湖、さらにその湖に端が張り出しているバーグ氷河を正面に見通せるテントサイトを発見し、コーヒーで一息ついてから移設作業をした。テントのファスナーを開けるとその絶景が飛び込む。ベースキャンプにはうってつけのサイトになった。このCGには3人組みのパーティが一つだけで静かな夜となる。話に行くがあまり英語が飛び交わない。彼らもまた僕と同じ旅人なのだろう。
21:30 真っ青な青空を期待して寝袋にくるまった。
↑この報告書の始めに戻る
2000年8月29日
リアガードCG−マンベイスン−洞窟−ハーグリーブス氷河−リアガードCG(テント泊)
7:30 朝方から耳に入りだした雨音が消えていない、朝食を食べて雲が切れるのを待つがしとしとと決して強い雨ではないがあたりを濡らしつづけている。昨日がんばったから休養日にしようと、近くを散歩することにする。僕には時間があるのだ、ここで待てるんだ、青空に抜けるロブソンの頂きを見るまで。。。自分の境遇をプラスに考えることにする。
10:30 ロブソン峠 (Robson pass) に向けてCGを出発。ぐるっと山腹を一周するコースを行く。ここはBC州だがAB州との州境にあり、しばし三角点のような石柱を越えてAB州にお邪魔する。
11:40 バーグ湖を見下ろす見晴台で休憩、今日はペースがあがらない。雲も低くブッシュには水滴がたくさん実っている。十字路があり The cave という名の洞窟(そのまんまじゃん!)に向かうピストンコースに歩を向ける。昨日に比べたら空荷のようなザックを背負っているのになぜかアップアップしている。ちょうど背丈ほどのブッシュの中に作られたトレイルを歩いていると鹿 (Mear deer) と眼があった。3匹でお食事中の最中。ピカ (Pika) もいた。リスに似ているが機敏ではなく違いがわかる。愛嬌のある顔でピカちゅーのモデルに違いないと一人納得する。
13:30 洞窟に着いてヘッドランプを取り出し「どうしようかな」と思いつつも一人でケービングを敢行した。とはいっても 30 m も行くと人が通過できる幅はなくなりUターンとなった。マーモットが人間観光に来ているのか、彼に見られながら洞窟の入り口でランチをとる。
15:45 ハーグリーブス湖の展望台 (Hargreaves lake view point) からバーグ湖を挟んでバーグ氷河と反対側に位置するハーグリーブス氷河をみる。見ているうちに氷河まで行けそうな気がしてきて湖に沿って氷河の末端に近づいていった。氷河で削られた岩は一枚板に磨きあげられていてツルッといったら湖まで直行できる。スラブ岩を登るときのように足の裏に集中して一歩を刻んでいく。
16:20 氷河にタッチ。穴が空いていて中を覗くと結構な水量で流れ落ちている。どんどん氷河の後退は進んでいるのだろうか。ここロッキーでも確実に温暖化は進んでいる。
17:00 本線に戻り帰路につく。雨は本気になってきた。昨日歩いた湖畔のルートを足早に進んでテントに戻った。
昨日ホワイトホーンCGで休憩したときにお話した5人家族がここまであがってきていた。男の子1人、女の子2人、そしてご両親のオマンド一家。雨は本降りになってきたので彼らはタープを張って食事を摂っていた。米をといでから挨拶に行く。子供達ははじめて見る東洋人に興味を示してくれた。夕飯はにんにくをいためてから水をたして粉末スープにチェダーチーズを振りかけて溶かしこんだ一品にご飯。お米が硬い!この山行にはハンゴウを持ってきていないので変形したコッヘルでは圧がかからない。日本で働いていたときの会社の同期からもらった高度計付の時計が結露してしまった。まだ時間は読み取れるけど・・・・・何があったのだろう?
↑この報告書の始めに戻る
![]() |
![]() |
2000年8月30日
リアガードCG−スノーバーパス−トボガン滝−リアガードCG(テント泊)
6:00 テントのファスナーをあげてバーグ湖を、と思ったが真っ白な霧に全てが包まれている。そのまま二度寝。
7:30 トイレに行こうと外に出ると雪が落ちてきた。もう秋も後半戦なのだ。ただ天気は回復の兆しを見せているので出発のセットアップまで済ませておく。
9:25 小さいながらも青いスポットが空に見えているので、それが大きくなるはず。と出発する。久々に自己予想があたった。ロブソン氷河に沿ってマウントロブソンの東に回りこんで行くと加速度的に雲は消えていき真っ青な空の中にマウントロブソンがその頂きをみせ、山を巻くように氷河がその山腹に白く輝いている。写真休憩が長くなる。スノーバード峠 (Snowbird pass) に向けて沢に沿って崖を登りきると高原台地にでた。マーモットがそこかしこに顔をもたげている。そして一度に視野に収まりきらないほどその全体を披露してくれるマウントロブソン。息を飲む、という言葉を体感している。
12:30 最後の 100 m ほどは雪の中に足跡を残してスノーバード峠に立つ。そこでもう一度息を飲んだ。峠に立ってはじめて見える向こうの世界は、はるか先の向かいの山の頂きが確認できるだけでその間には白い平面が続いている。ロブソン氷河も太刀打ちできない巨大な大氷原 (Reef icefield) が広がる。その先端部分はコールマン氷河 (Coleman glacier) と名をかえる。
12:45 小ピークに腰をおろす。左(西)を向けばマウントロブソンが天を突き、右(東)を向けば大氷原が地を覆う。そして人間は見える範囲では僕だけだ。天気が良くなってから登り始めたハイカー達がここに来るまではもう少し時間があるだろう、それまでは僕だけの景色だ。英単語に awesome という感嘆を表現する形容詞がある。日本語にすると「印象的な」とか「荘厳な」などの言葉になってしまうがその驚愕の度合いはかなり大きなものらしい。きっとこの風景なら Awesome awesome! と叫んでいいのだろうと思う。
13:36 遠く高原台地の入り口にハイカーが見えたのでなくなく出発、彼らにも彼らだけで叫びあう時間を持ってほしいと思った。2回休みをとって下りてきたが帰り道にすれ違ったのは5人だけだった。そして最後のブッシュでミスコース
15:45 ロブソンパスCGに来てしまった。まだ陽は高いのでもう一つ、散歩をつけたす。自分のCGを通過してトボガン滝 (Toboggan falls) を見学に行く。100 m ほど続くなめ滝だった。
17:10 テントに帰った。
バーナーの火力が安定せず燃費も悪いので夜の遊びはバーナー分解清掃にした。これまでの米の吹きこぼしが詰まっていたのだと思う。組みなおすと青い炎になった。燃料は3泊までなら気にすることはないようだ。
↑この報告書の始めに戻る
2000年8月31日
リアガードCG−アドルファス湖−リアガードCG(テント泊)
7:30 起きる前に外が静かなので「やった晴れだ」と思いきやポツポツ音がする。「あれれ、テント乾かしてから撤収か」と独り言を言いながらフライシートのファスナーを開けるとやけに大きな一粒一粒が落ちてくる。みぞれだ!早いスピードでみぞれは地面を白くしていく。億劫になる前に離れのベアポール(人の寝ているテントに熊がこないように食料等はテントに置いておかない)に吊るしてある食料を持ってきて様子を見る。食料は十分にあるが燃料を気にしたほうがいい。
9:30 雨に変わってきた。オマンド一家とお話する。スープをご馳走になった。エドモントンのさらに北、Cold Lake という町に住んでいて旅の途中に寄りなさいと住所を教えてくれた。小康状態になったのでフライシートをふきあげたらさらに強く降ってきた。もうっ、フライシートを張りなおす。13時前にオマンド一家はホワイトホーンCGまで下りると雨の中出発していった。子供達に一日で 20 km の移動はきついと判断してようだ。残量が気になっていた燃料を分けていただいたので停滞を決め込む。
17:20 かなり降りが弱くなったのでアドルファス湖 (Adolphus lake) まで散歩する。周辺の湖は全て氷河の水が流れ込んでいるのでエメラルド色をしているが、このアドルファス湖だけは透明で湖底まで見透せる。地図にキャンプサイトの記載があったので湖に流れ込む川沿いを遡がったり、湖岸をまわったが結局見つけられなかった。文中には「湖畔にあるが何も整備されていない」と書いてあったが・・。
20:00 散歩から帰ってきた。
↑この報告書の始めに戻る
2000年9月1日
リアガードCG−トレイル入口前駐車場
外は雪化粧をしている。結露していた時計は時間の表示をやめてしまった。ここをベースとして行けるコースは網羅したので雪の中撤収を決める。
9:00 テントサイトを後にする。この時刻はデジカメのものだ。
10:30 雲は低いままだ。ニューヨークからのおば様と立ち止まって長話をしてしまう。ジャスパーのトンキンバレー(僕が熊とご対面したトレイル)も歩かれていたので話が盛り上がってしまった。
11:30 ホワイトホーンCG通過、あとでわかったことだがオマンド一家は1時間前にここを出発していた。
13:15 駐車場に到着、愛車にタッチして終了となった。
ピンポイントのスカッ晴れを最高の場所で楽しめたことが強く脳裏に焼きついた山行だった。そしてロッキーの山歩きとしては最後となる。途中聞いたことだがロッキーの4大トレイルとしてトンキンバレー、マウントオーハラ、マウントアッシニンボイン、そして今回のマウントロブソンが挙げられるらしい。ひと夏だけのチャンスだったがその二つを歩けたことはいい思い出として残せるに違いない。また来たい、という欲望と一緒に。
↑この報告書の始めに戻る
