2戦2敗、温泉探し( Hurunui Hot spring )

日  程 2002.1.11 〜 1.13
メンバー 亀山(単独・報告)
概  略 ルイスパス( Lewis Pass )からハーパーパス( Hurper Pass )へ抜ける途中にある天然温泉を狙ってテントまで担いでいくが撃沈。  ー地図は後日ー

1月11日

昨晩雨の中駐車場のある Windy Point まで走ってきた。シェルターの中で夕飯をとっていると雲は高くなり雨は止んで幾筋かの光が射し、朝を期待しての車中泊だった。

8:00 車に留守番を頼んで出発。背丈ほどのマヌカの原を上っていく。車道から森の中に折れるとブナ林が始まる。ただし何か様子が違う。トラックに落ちているブナの葉がいつもよりも大きな気がする。若木の葉を確認すると、葉のまわりがギザギザしているもののシルバービーチより一周り、いや二周りは大きい。レッドビーチ( Red Beech; 赤ブナ )だと思われる。このブナは丈夫という理由で木材として良く使われ、そのためにあまり見かけなくなっているという。それと山ブナの混合林が続く。
んー、肩の調子が良くない。というかザックが自分に収まっていない。さて何故かといえば・・おニューのザックなのである。正直いって衝動買いのたぐいだが
Stewart Island での腰の痛みが財布を緩めていた。買ったままの状態で自分にしっくりするとは思っていないので微調整しながら歩を進めるが、どうやら僕の肩は左右非対称らしい。ショルダーバンドの位置がずれている方が背負いやすい。側湾症なのかもしれないなぁ。

ロケーションは良いんです、が10:30 森がひらけた草原の中にハットが見えてきた。ホープハーフウェイハット( Hope Halfway Hut )は水タンクもなくベットにマットレスも、もちろんストーブもない。ハーフウェイというだけあって利用者は少なそうだ。

12:00 橋があるはずだかミスコースしたらしくその上流に出てしまった。深くないので渡河する。しかしそれなりの水流があるためオティラの恐怖が拭えない自分が見え隠れする。対岸に渡ってから下流に向かうと橋を確認できた。

12:45 ホープキーウィロッジ( Hope-Kiwi Lodge )につく。ランチ休憩にするがとにかく疲れている。どうしたのだろう。足の裏も皮が薄くなったかのように痛む。雨も降りだして今日はここまでにしようか、とも思った。しかししばらく休むと動ける気がしてきた。シャリバテだったのか?1時間後ザックを背負いなおした。ハットから4輪の轍を進み広い河原に広がる草原のなか、顔だけが白い牛の親子達と挨拶を交わしながら谷へ近づいていく。

これも立派な橋14:25 再び森の中に入っていくが地形図からしてひどい高低差はないらしい。勾配も緩いのでバテ気味の体には助けになっている。

14:50 マリオンベイ( Marion Bay )に続く分岐を過ぎる。川床から一段高くなった森の中を進んでいく感じだ。

15:10 展望台( observation point )に寄り道してみるが白い雲は低くなり眼下のサムナ湖は色のトーンを落としている。霧雨が服にまとわりつく。

16:00 吊り橋を渡ったところで休んでいると鼻血が!ところが黄色い鼻血で2度びっくり!!脳ミソが流れ出してしまったかと慌てて栓をする。無理はいかんのである。

18:30 最後のつり橋を渡る。ハットに向けて上流に進むとトラックは消えていく。地図には記載があるが藪漕ぎになってしまい思わぬところで時間を失う。一旦下流側に進み高巻くのが正解。フルヌイハット( Hurunui Hut )についたのは19:15 になっていた。体がいうことを聞かなくなっているのでとりあえず夕食にする。ここからが今日の本当の目的なのだ。

21:15 燃料補給完了、雲が低くいつまで明るいか怪しいが温泉探しに突入する。ハットには過去にその温泉に浸かっているというNZ人のおじ様が居て温泉のすぐ近くにテントを張れるという情報ももらう。但しトラックからの分岐点は標識などなく急な斜面を登った上にその温泉はあるのだそうだ。そこまで情報があればOKと出発、川に沿ってさらに奥に向かう。

22:00 もう少し空からの明かりを期待していたが雲が厚く夜が早く来てしまった。ヘッドライトをつけて森に入っていく。もうこの辺にあるはずなのだが。。。。正規のトラックを示すマークさえも辿るのが難しいほど暗くなってしまった。斜面を登る道がいくつもありその一つにめぼしをつけて行くがやはりダメ。沢に手を入れても冷たい水ばかりだ。初めてのところに暗くなってから行こうというのはかなり無理がある。今晩は自分のミスと言い聞かせてテントをひろげる。かなり悔しい。今日の長い行程が実を結ばなかったこと、その原因が夜の来る時間を図り間違えたことというのがますます僕を眠らせなかった。

1月12日

8:45 昨晩温泉に入れなかったことは取り戻せないが、なんとしても温泉の存在を確かめようと小雨の降る中テントを後にする。地形図から温泉があるであろう場所は正確に把握できているのだがそのものが見つけられない。絶対行きすぎ、と判る場所まで進んでまた戻りながら斜面を登っていく道を物色する。先人達がトライした道がいくつも残る。

9:52 負け犬宣言をしてテントに戻る。NZ温泉探しは前回の Otehake に続き2連敗になってしまった。

11:42 雨の中テントの撤収をしてハットに戻る。水を含んだままなので重い。40分でハットに戻りテントを始め濡れものをひろげて軽くしようと試みる。昨日助言をくれたおじ様が散歩から帰ってきたところで報告、周囲の状況を話すとまさしくあの辺りなのだが。

12:35 出発。もう昨日の距離は歩けないので次のハットを目指す。行きにいくつかマークを失ったところがあったので同じ過ちをしないように修正しながら歩を進める。行きとほぼ同じタイムコースで戻っていく。しかし疲れているのがよーくわかる。

17:10 往きには上まで登った展望台の分岐を通過する。見るからに昨日と同じもしくはそれ以上の厚い雲が森の中から垣間見えるので先に進ませてもらう。

18:00 ハットに続く広い草原地帯への入り口に辿りつく。この少し手前でこれからフルヌイハットを目指し、同じく温泉目当てのトランパーとすれ違う。見つけたらおしえてね、と挨拶する。

18:52 ホープキーウィロッジの扉を開ける。なんと僕だけ。24人を収容できるベットを持つハットに一人なんて想像していなかった。昨日は人間12人、馬22頭がいたというのに。内部は扉を持つ5部屋にわかれ食堂、居間の部分だけで生活できるのでストーブで暖める空間も小さく出来る。といっても普通よりも巨大だが。
火をつけ濡れものを干し一段落した頃から外は本格的に荒れ出した。強風を越えた疾風が絶え間なく吹き続き、雨の密度で向いの山が見えなくなる。平原の中に立つハットは風をまともに受けギシギシなりつづけている。「今扉が吹き飛んだら持ち物ぜーんぶどこかへ旅立ってしまうだろうなぁ」と思いながらも荷物を机にひろげたまま寝袋をかぶった。

中洲にはマタゴウリの森1月13日

嵐の音で眠りは浅く何度か起きてしまっていたがふと静かになったので起きて朝食をとる。しかし食べているうちにまた降りは強くなり今日は停滞、と持ってきていた日本語情報誌を1ページ目から全ての記事を読んでいた。最後まで読み終わったとき、外が無音なのに気づいた。いままで読むことに集中していたが雨は上がり空は明るくなっている。まだ9時半、歩こうと自分に言った。

10:55 大きな部屋を掃除して薪も補充し車を目指す。行きに渡河した川は吊り橋を渡り草原を抜ける。一昨日歩いた道なのでまだ目が覚えている。最短コースを考えながら進んだ。

12:38 ホープハーフウェイハットでザックを下ろして休憩。壁の落書きを読んでいると近くに水場があるようだ。これでストーブがあれば利用するのにな、とビジターブックに書こうと思ったがビジターブックも残っていなかった。またブナ林の中を起伏した道が続く。往きには感じなかったがアップダウンを繰り返す道は体力を消耗する。

14:45 ようやくブナ林を抜けマヌカに囲まれた。もう少しだ。牧場を通り最後の吊り橋を渡る。

15:20 車に再会できた。中身もそのままだった。まず始めにすることは靴を脱いでビールを飲む”。