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突入!北島火山地帯( Tongariro Northern Circuit )

詳細地図はクリック!!日  程 2002.5.15 - 18
メンバー 水楽園、亀山(報告)
概  略 あまりにも有名なトンガリロ国立公園。聞いた人全てから「いいよ、あそこは」と言われ続けついにその地に入ってきました。僕の感想?やっぱり「良いね、サイコ-」

南島のトラックに行き残したところを沢山抱えながらもピクトンからフェリーに乗ってウェリントンへ。ついに北島上陸となる。残された時間も気になり出してきた。南島の世界遺産フィヨルドランドの次はやぱり北島の世界遺産トンガリロ。

5月15日

トンガリロ国立公園の玄関口ワァカパパ村( Whakapapa village )にお昼前に到着。ビジターセンターで山小屋宿泊券を購入して最終準備をする。ここは6月頭までグレートウォーク扱いで山小屋も別扱いになる。山小屋にはガスコンロそしてガスヒーターまであるらしい。一泊14ドル、テントを持ちこんでも一泊10ドルなので山小屋を選んだ。

本当にジェンシャンの仲間なのか、自信は無い。13:30 トラックに入る。入り口からトンガリロ・クロッシングといわれる核心部分はかなり遠くに思える。ナウルホエ山( Mt. Ngauruhoe )の広い裾野を進んでいく。草原が続いて見晴らしが利く。時折アップダウンがあるものの単調な道が向こうまで延びている。山には雲が掛かり山頂が見えるわけでもなく単調さに輪をかけてしまうが明日が本番、と沈みそうになる気持ちを持ち上げた。この部分はグレートウォークといってもマイナー区間なので整備も最小限で気晴らしになる。トラックを挟んで丘のような小山に近づいていく。右がプケカイキオレ( Pukekaikiore )、左がプケオナコ( Pukeonako )マオリ名なのでなかなか頭にインプットできない。前後に他のパーティーも見えないので何度も草原に向かって吠えていた。

15:30 遠くからずっと見えていた白い物体、立派な階段を登りきって休憩。植生はマウントクックのそれと似ていてコプロズマが目に付く。リンドウにあたるジェンシャンだと思われる白い花もあるが茎が赤い。

16:25 ハイシーズンには一日に3000人が歩くといわれるマンガテポポ道路( Mangatepopo Road )から続くトラックに合流すると広い幹線道路の様になった。山小屋( Mangatepopo Hut )には10分と掛からずに到着。今回もグレートウォーク用に人参、玉葱、ジャガイモそして林檎となまもの持参で栄養バランスのとれた夕食を摂り明日の快晴を願ってシュラフに入る。

5月16日

朝が来るのが遅くなった。7時でもまだ暗い。歩くシーズンも終わりが近いことを実感してしまう。朝の冷え込みは軽く霜も降りていなかった。山も山頂まで見える。欲張りに歩こう!

8:30 山小屋を後にする。しばらくすると駐車場から歩き出した軍団が迫ってきた。

9:15 一つ目のサイドトリップ、ソーダスプリング( Soda Springs )に寄り道をする。落差3mほどのかわいい滝がある。まさかこれじゃないだろうと滝の上に登るがこれっ!と思えるようなものは見つけられずにトラックは消えてしまった。本線を見ると人の行列が出来ている。この時期でもシーズンは続いている。

9:35 ザックを背負いなおして出発。トラックは急な登りになり一日トレッキングの人の波に混ざりながら進んでいく。やはりデイパックにはかなわず道を譲ることが多くなる。登りきるのに40分かかった。道が平らになるとナウルホエ山山頂への分岐点が現れる。出発時に見えた山頂はガスが掛かってしまったが登っているうちに切れてくれることを期待してピークハントにいく。ザックを岩の影に置いてウエストバックをデイパックに変身させて水とランチを詰める。

右側に火口がすり鉢状に現れた。10:35 軽くなった背中で出発。登りだしはポールマークが狭い間隔で立っていて迷うことはない。しかしはっきりとした踏み後がマークから離れていくのでそれを追ってしまった。それが下山ルートだと判ったときは戻りたくない距離になっていた。今にして思えば戻るべきだった。火山灰の積もった下山ルートは砂走りに最高の状態、そこを登るのは3歩で一歩以下、エネルギーを吸い取られてしまう。時折落石も降ってくる。これは危険とトラバースし、溶岩石が表面に出ている登りルートに戻ったが随分と時間をロスしてしまった。ガスは出たり消えたりを繰り返しているが山頂をスパっとは見せてくれない。

12:15 山頂( 2291m )に立つ。まわりは真っ白。ランチを取りながら一瞬を待つ。ガスの濃度が不意に下がり火口が出てきた。まだまだ現役を感じさせる荒々しい岩肌が剥き出している。ところがカメラのセルフタイマーをセットしているうちに、また白色に覆われてしまった。目で見ろ、ということか。

13:00 体温がさがってきたので下山を始める。ガスが無ければさぞ遠望の利く所だろう。くやしいが次回の楽しみに取っておくことにする。苦しめられた砂走りを充分に楽しんで50分で帰って来た。

14:10 本線を歩き出す。サウスクレーター( South Crater )の脇にまっすぐな道が延びていてもう一段上に上がる。

レッドクレーター。溶岩の噴出し口。14:50 トンガリロ山( Mt. tongariro: 1967m )への分岐点を過ぎるとまさに「はじけ飛んだ」というような口が開いたレッドクレーター( Red Crater )が出てきた。確かにその部分だけ真っ赤な山肌でとても目立つ。蒸気がトラックのすぐ近くからも吹きだしていて足元が温かい。地面を触ると熱を持った大地がはっきり判る。空を覆った雲からはあられが落ちてきた。

湯気の向こうに太陽が沈んでいく。15:20 エメラルドレイク( Emerald Lakes )を過ぎトラックの分岐点に着く。雨粒の混ざりだしたあられに体温をじわじわと奪われていく。絶景は明日に期待してブルーレイク( Blue Lake )を越え山小屋へと急ぐ。カテタヒハット( Katetahi Hut )に下っていくが山小屋が見えてからその道は大きくジグザグを始めなかなか山小屋に到着できない。

16:30 山小屋に到着。服はじっとりと濡れてしまった。山小屋の後ろには高範囲に湯気のたつカテタヒ温泉( Katetahi Hot Springs )があるがマオリの聖地なので立ち入ることは出来ない。はっきりしない天気だった一日だったが温泉の湯気の向こうにオレンジ色の太陽が沈んでいった。

5月17日

大地との境は透明な青から始まった。今日一日を期待させてくれる夜明けだ。

8:20 昨日より10分早く歩き出せた。雨の中歩いた谷間の道には厚さ2cm以上の霜が降りている。ザクザクと霜を踏みぬく音を楽しみながらブルーレイクへあがっていく。一時間で登りきるとブルーレイクがその名前通りの色を呈している。雲は、見つけられない。ナウルホエ山がその全てを見せている。独立峰のその雄姿は富士山によく似ている。違いはその頂きの前に街ではなく乾いた土のクレーターが広がっていることか。今日向かう山小屋への分岐にザックを置き更にトラックを戻る。この快晴の中トンガリロ山山頂を目指さずにはいられない。もう一度ナウルホエ山へ、とも考えたが未知のトラックを優先する。

10:20 山頂への分岐を過ぎる。緩い登りの稜線は景色を楽しむのに最適だ。ちぎれたかのような小さなガスの塊がナウルホエ山に近づくが昨日とは違って動きをつけてくれる脇役になってくれている。斜面を横切るように続くトラックには霜が雪のように白く降りている。霜の上に土がのっていないので白い氷が表面に出ているからだろう。

エメラルドレイク。見るたびに違う色をもっている。11:00 山頂の岩の上に居る。今朝出発した山小屋の方角にはタウポ湖が輝きをましてNZ最大の湖面を見せている。ナウルホエ山の奥にはもう一つの独立峰ルアペフ山( Mt. Ruapehu; 2796m )が山頂部分を少し白くして裾野をひろげている。風も昨日に比べ優しく温かいのでこの景色にとろけるに任せていた。直接今日の山小屋へ向かうといって別れた白人のおば様が近づいてくるのが判った。彼女もこの天気に誘われてこちらに来てしまったと洩らした。昨日も見ているはずのエメラルドレイクはまったく違う顔をしていてその色に惹きこまれる。レッドクレーターから解けだした鉱物成分がこの色を造りだしているのだという。

12:50 3時間以上寄り道を楽しみ新たなトラックに進みだす。もちろん月に行ったことはないが写真で見た月面のような荒涼とした火山灰と溶岩流の中を歩いていく。トンガリロ山は見えなくなりルアペフ山に近づいていく。

14:20 オトゥレレハット( Oturere Hut )でトイレ休憩をする。標識には目的のハットまであと3時間とある。最近は5時には夕暮れが始まり気温がガクンと下がりだすのでその前に歩くのは終わりにしておきたいと先を目指す。トラックは更に細かく砕けた砂漠のような世界に続いていく。ポールが遥か先まで見て取れる。いつ振りかえってもナウルホエ山は青い空をバックに全体を見せていた。

16:00 やっと森に入った。中州のように小さな森がある。ワイホホヌ沢( Waihohonu Stream )に沿ってひとときの森林浴を楽しむ。橋を渡って登り返す。ほぼマウンテンビーチの単一林にみえる。森を抜けてから20分で山小屋( Waihohonu Hut )の前に出た。16時54分、目指す時間で辿りつく。ピンク色に色を変えるルアペフ山を見ながら最後の晩が近づいた。

5月18日

8:45 最終日はサイドトリップから始めた。入浴は出来ないが豊富な冷泉が湧いているという。初めに現れる分岐を南下してオヒネパンゴ泉( Ohinepango Springs )を目指す。ソーダ泉よりははっきりとその場所を特定できたがその奥にもトラックが続いているので入っていく。枯れ沢をよじ登ると高台に出て360度のパノラマが広がった。泉に行くのならここもお勧めポイントとして挙げたい。宿から遠くないので日の出、日没シーンもかなり期待できるのではないだろうか。10時前に山小屋に戻りザックをまとめる。まだ出発していない仲間が居たのでコーヒータイムとなる。掃除をして気分良く小屋を後にする。

この荒涼さ、なかなか味わえません。10:50 歴史的建造物として保存されている旧ワイホホヌハットを覗く。ベットや暖炉などの前には鉄格子が張られ山小屋としては利用できないが他のトラックならまだまだ現役として使われているような山小屋だ。説明書きには壁に鉄板が挟みこまれていて対防火性を持っていると書かれている。

12:45 歩いてきたトラックが見渡せるタマサドル( Tama Saddle )で相棒水楽園を待つ。やはりパーティを組んだ以上、声の届く距離に居なければいけないのだ。事ある毎に自分で言っていることなのにそのルールを逸脱してしまった。何分待とうか、今のルートで危険なところは無かったか、など心配事ばかり頭に浮かんでくる。白い帽子が枯草色のタソックの中をこちらに向かってくるのを確認すると安堵するだけでなく自分のミスを責められている気がした。

13:10 再びパーティとして歩き出す。見えてくる景色も変わってくる。パーティはパーティの楽しみ方があるのだからそれを充分に感じないと。ナウルホエ山をぐるりと廻るように見える斜面が移っていく。

13:40 タマ湖への分岐に来る。時間が気になるが一つ目のローワータマ( Lower Tama )まで足を延ばし遅めのランチを取る。タソックの株がころあいのいい椅子になり背中に陽をうけながらタマ湖を眺める時間になった。

14:30 本線に戻ってきた。景色は相変わらず見晴らしの利く溶岩大地の中を進んでいく。天気が悪かったらさぞ長く感じるトラックになりそうだ。

15:25 最後の出し物?タラナキ滝( Taranaki Falls )への展望台に駆け降りていく。唐突に森が始まり滝を正面に見る。切り立った岩から20mの水柱が滝壷に刺さっている。どうも滝の後ろに廻りこめるスペースがありそうだ。滝を中心にぐるりと一周して展望台に戻り、再び細かい階段を一段抜かし無しで駆けあがった。

16:00 とうとう最後の区間になった。ワカパパビレッジからの散歩道にもなっているのでトラックは木道部分が多くなり歩きやすくなる。かなり小さかったホテルが大きくなって現れたところで舗装路に変わった。いつもの儀式車にタッチをしたのは16時40分だった。

世界遺産という肩書きを持ったトンガリロ国立公園、核心部分はテンポ良く目に映るシーンが変わり歩く価値を充分に持ったトラックだろう。ただし周囲を含めた今回の周回コースはより火山帯の中に自分が居る、ということを感じられた時間になった。

 


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